「業者に頼む前に、自分でできる対策はないか」と考える方は多いです。シロアリの予防には、日常的に実践できる環境整備が有効です。

ただし、自分でできる対策には限界があります。あくまで「シロアリが寄りにくい環境を作る」ための予防措置であり、すでに被害が発生している場合は専門業者による施工が必要です。

①床下の換気・通風を確保する

シロアリは湿気の多い環境を好みます。床下の換気を良くすることは、シロアリ予防の基本です。(出典:日本しろあり対策協会)

  • 床下換気口をふさがない — 換気口の前に物を置いたり、植栽で覆ったりしない
  • 換気口の数と配置を確認する — 建物の四方に換気口が設けられているのが理想
  • 床下換気扇の検討 — 湿気が特にひどい場合は設置を検討する

注意

換気扇の設置は有効ですが、訪問販売で不要な換気扇を高額で売りつけるケースも報告されています。本当に必要かどうかは、専門業者の点検結果をもとに判断しましょう。

②家の周りに木材を放置しない

建物の周辺に放置された木材は、シロアリのエサになります。

  • 使わなくなった木製の杭、板材、古い柵は撤去する
  • 薪や木材を保管する場合は、建物から離れた場所に置き、地面に直接触れないようにする
  • ダンボールや古新聞も湿気を吸いやすくシロアリのエサになりうるため、屋外に放置しない

③水漏れ・雨漏りを早期修理する

水漏れや雨漏りは、床下や壁内部の湿度を上昇させ、シロアリの好む環境を作ります。

  • 水回りの配管(キッチン、浴室、トイレ)に水漏れがないか定期的に確認する
  • 雨樋(あまどい)の詰まりや破損を点検し、雨水が基礎周辺に溜まらないようにする
  • 外壁のひび割れやコーキングの劣化を確認し、雨水の浸入を防ぐ

④基礎周りの定期確認

蟻道は基礎の外面に形成されることが多いです。定期的な目視チェックで早期発見につながります。

  • 年に1〜2回(春と秋がおすすめ)、建物の外周を歩いて基礎の外面を確認する
  • 基礎の表面に土の筋や線状の塊がないかを見る
  • 配管の貫通部や基礎の隙間も重点的にチェックする

チェックリスト

  • □ 基礎外面に蟻道がないか
  • □ 換気口が物でふさがれていないか
  • □ 基礎と地面の間に木材や残材が放置されていないか
  • □ 外壁と地面の接地部分に異常はないか

⑤花壇・植栽を基礎から離す

建物の基礎に密着した花壇や植栽は、シロアリの侵入リスクを高めます。

  • 花壇は基礎から30cm以上離すのが望ましい
  • 基礎に沿ってウッドチップやバークチップを敷き詰めない(シロアリのエサになる可能性がある)
  • つる性の植物が基礎を覆わないように管理する

⑥物置やウッドデッキの管理

屋外の木製構造物は、シロアリの侵入経路になることがあります。

  • ウッドデッキは定期的に裏面を確認する。蟻道や木材の劣化がないかチェック
  • 物置を建物の基礎に密着させて設置しない。隙間を確保する
  • 木製の物置よりも金属製やプラスチック製のほうがシロアリのリスクは低い

⑦市販の防蟻剤の使い方と限界

ホームセンターで購入できる市販の防蟻剤は、応急的な予防手段として使用できます。(出典:日本しろあり対策協会)

種類使い方効果の目安
防蟻スプレー木材や基礎周辺に噴霧数週間〜数か月程度
防蟻塗料木材の表面に塗布数か月〜1年程度
土壌処理剤地面に散布数か月〜1年程度

市販品の限界

  • 効果の持続期間が短い — 専門業者の施工では約5年持続するのに対し、市販品は数か月〜1年程度
  • 施工範囲が限定的 — 床下全体に均一に処理するのは難しい
  • すでに被害がある場合は不十分 — 巣へのアプローチができないため、根本的な駆除にはならない

プロに任せるべき判断基準

以下に該当する場合は、専門業者への相談をおすすめします。

  • 蟻道、羽アリ、床のきしみなど被害のサインが見つかった
  • 築5年以上で防蟻処理を受けたことがない
  • 前回の防蟻処理から5年以上経過している
  • 中古住宅を購入し、防蟻処理の履歴が不明
  • 床下の湿気がひどく、木材の腐朽が見られる

DIYでの予防対策は「日常のメンテナンス」として重要ですが、専門業者の定期点検・予防施工と組み合わせることで、より確実な予防体制を構築できます。

まとめ

自分でできるシロアリ予防は、換気の確保、木材の管理、水漏れの修理、基礎周りのチェックが中心です。ただし、DIYの対策には限界があり、被害のサインがある場合や防蟻処理歴がない場合は、専門業者の点検・施工を検討しましょう。