羽アリを見つけたとき、「シロアリなのかクロアリなのかわからない」と迷う方は多いです。名前に「アリ」と付いていますが、シロアリとクロアリ(黒いアリ)はまったく異なる生物です。

シロアリはゴキブリの仲間、クロアリはハチの仲間に分類されます。見た目にもはっきりとした違いがあるため、ポイントを知っていれば見分けることができます。

体型の違い(くびれ・触角・羽)

シロアリとクロアリは、体の3つの部位を確認すれば見分けられます。(出典:日本しろあり対策協会「しろありの見分け方」)

特徴シロアリクロアリ
体型(くびれ)寸胴(くびれがない)腰がくびれている
触角の形状数珠状(まっすぐで玉が連なる)くの字に曲がっている
羽の大きさ前後の羽がほぼ同じ長さ前の羽が後ろより大きい
羽の落ちやすさ落ちやすい(群飛後に散らばる)落ちにくい
体色種類によって異なる(黒褐色〜黄褐色)黒色が多い

最も確実な見分けポイント

3つの特徴のうち、最も簡単に確認できるのは体のくびれです。シロアリは頭部から腹部まで寸胴な体型をしていますが、クロアリは胸部と腹部の間に明確なくびれがあります。

肉眼で確認が難しい場合は、セロハンテープで捕獲してスマートフォンで拡大撮影すると判断しやすくなります。

行動パターンの違い

外見だけでなく、行動パターンにも明確な違いがあります。(出典:森林総合研究所「日本産シロアリ」)

項目シロアリクロアリ
分類ゴキブリ目(等翅目)ハチ目
食性木材(セルロース)を食べる雑食(虫の死骸、甘い液体など)
巣の場所地中、木材の内部地中、石の下、壁の隙間など
木材への影響構造材を食害し、強度を低下させる木材を食べることはない
蟻道土のトンネルを作る(ヤマト・イエシロアリ)作らない

シロアリは木材を食害するため、住宅の構造に直接的な被害を与えます。クロアリは木材を食べないため、住宅の構造に被害を与えることは基本的にありません。

写真で比較

シロアリの羽アリ:体にくびれがなく寸胴。触角はまっすぐな数珠状。前後の羽はほぼ同じ長さ。
クロアリの羽アリ:胸部と腹部の間にくびれがある。触角はくの字型。前の羽が後ろの羽より大きい。
同じ縮尺で並べると、体型の違いが一目でわかります。

羽が落ちた後の見分け方

群飛後に羽が落ちた状態では、羽の特徴では判断できません。この場合は体のくびれと触角の形状で判断します。

間違えやすいケースと注意点

ケース1:ヤマトシロアリの羽アリは黒い

ヤマトシロアリの羽アリは黒褐色のため、クロアリと間違えられることがあります。「黒いからクロアリだろう」と判断すると、シロアリ被害を見逃す恐れがあります。体色ではなく、くびれの有無で判断しましょう。

ケース2:室内で大量発生した場合

春〜初夏に室内で羽アリが大量発生した場合、シロアリの可能性が高いといえます。クロアリの羽アリは室内で大量発生することは少ないためです。

ケース3:羽だけが大量に落ちている

窓際や照明の下に羽だけが大量に落ちている場合、シロアリの群飛後の痕跡である可能性があります。シロアリの羽は群飛後にすぐ落ちるため、本体がいなくても羽だけが残ります。

判断に迷ったら

捕獲した虫や羽の写真をスマートフォンで撮影し、専門業者に送って確認してもらうのが最も確実です。多くの業者が写真での無料相談に対応しています。

まとめ

シロアリとクロアリは、体のくびれ・触角・羽の3つで見分けられます。最も簡単な判定基準は「くびれの有無」です。住宅に被害を与えるのはシロアリであり、発見した場合は専門業者への相談をおすすめします。