羽アリを見つけると、誰でも驚くものです。「これはシロアリなのか」「すぐに業者を呼ぶべきか」と焦る方も多いのではないでしょうか。

まず知っておきたいのは、すべての羽アリがシロアリではないということです。春〜夏にかけてはクロアリ(黒いアリ)の羽アリも大量に発生するため、見分けることが最初のステップになります。

シロアリの羽アリであった場合でも、慌てて殺虫スプレーを使うのは逆効果です。正しい初動対応を知っておくことで、被害の拡大を防ぎやすくなります。

このページでは、羽アリを見つけたときの落ち着いた対処法を、初動対応・見分け方・発生時期・NG行動・業者への相談手順の順に解説します。


まず落ち着いてやるべきこと

羽アリを見つけた直後にやるべきことは3つです。大切なのは、慌てて虫を駆除しようとしないことです。

初動3ステップ

  1. 現場を観察する
    発生している場所、羽アリの数、時間帯を確認します。室内から出てきたのか、外から入ってきたのかを見極めることが重要です。室内から発生している場合は、建物内部に巣がある可能性が高くなります。
  2. 写真・動画を撮影する
    スマートフォンで十分です。羽アリの全体像、発生場所の周辺、可能であれば羽アリの体のアップを撮影しておきます。後日、業者に相談する際の重要な判断材料になります。
  3. 数匹をセロハンテープで捕獲する
    セロハンテープの粘着面に数匹を貼り付けて保存します。体の細部が確認しやすく、種類の特定に役立ちます。掃除機で吸引する場合は、紙パックをそのまま保存しておくと業者への確認時に使えます。

殺虫スプレーの使用は避けましょう。理由はNG行動の章で詳しく説明します。

つまり、初動の基本は「観察・撮影・捕獲」の3つです。駆除しようとせず、情報を残すことを優先しましょう。


シロアリの羽アリとクロアリの見分け方

羽アリを見つけたとき、シロアリかクロアリかを見分けることが最初の判断ポイントです。4つの外見的特徴で区別できます(出典:日本しろあり対策協会「しろありの見分け方」)

4つの見分けポイント

特徴 シロアリの羽アリ クロアリの羽アリ
体型 寸胴(くびれがない) 腰がくびれている
触角 数珠状(まっすぐで玉が連なる形) くの字に曲がっている
羽の大きさ 前後の羽がほぼ同じ長さ 前の羽が後ろより大きい
羽の落ちやすさ 落ちやすい(群飛後に羽が散らばる) 落ちにくい
シロアリの羽アリ(左)とクロアリの羽アリ(右)の比較。体型のくびれと触角の形状が見分けの決め手

体色による判断

シロアリの羽アリの体色は種類によって異なります。

  • ヤマトシロアリ — 黒褐色の体。一見するとクロアリと間違えやすい
  • イエシロアリ — 黄褐色〜茶褐色の体。やや大きく、夕方以降に光に集まる
  • アメリカカンザイシロアリ — 赤褐色の体。少数ずつ飛び出すのが特徴

体色だけでは判断が難しい場合も多いため、体型(くびれの有無)と触角の形状を優先して確認しましょう。

判断に迷ったら

捕獲した羽アリの写真を専門業者に送れば、種類を特定してもらえます。多くの業者が写真での無料相談に対応しています。自分で無理に判断しようとせず、専門家の目を借りるのが確実です(出典:森林総合研究所「日本産シロアリ」)

つまり、見分けの決め手は「くびれの有無」と「触角の形状」の2点です。迷った場合は写真を業者に送って確認するのが最も実用的です。


発生時期と時間帯の傾向

羽アリの発生には、種類ごとに明確な時期と時間帯のパターンがあります。「いつ・どの時間帯に出たか」は、種類を推測するための有力な手がかりです(出典:日本しろあり対策協会)

種類別の群飛カレンダー

種類 群飛時期 時間帯 天候の傾向 特徴
ヤマトシロアリ 4〜5月 日中(午前〜午後) 雨上がりの蒸し暑い日 大量に一斉に飛び出す
イエシロアリ 6〜7月 夕方〜夜 蒸し暑い日 光に集まる。街灯や照明に群がる
アメリカカンザイシロアリ 6〜9月 日中 特定の条件なし 少数ずつ断続的に飛び出す
クロアリ(参考) 5〜11月 種類により異なる さまざま 種類が多く時期が広い

判断の目安

「4〜5月の昼間、雨上がりに大量発生した」場合はヤマトシロアリの可能性が高いといえます。「6〜7月の夕方に照明に集まっていた」場合はイエシロアリを疑います。

ただし、クロアリの羽アリも同時期に発生するため、時期だけで断定はできません。前章の外見的特徴と合わせて判断しましょう。

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つまり、羽アリの発生時期と時間帯は種類を推測する有力な手がかりですが、外見的特徴と合わせて総合的に判断することが大切です。


やってはいけないNG行動

羽アリが出たときに、やってしまいがちだが逆効果になる行動が4つあります。正しい対処法とセットで確認しておきましょう(出典:日本しろあり対策協会)

NG行動と正しい対応

NG行動 なぜダメなのか 代わりにやること
①殺虫スプレーを大量に噴射する 表面の虫を殺すだけで巣には届かない。忌避成分でシロアリが別の場所に移動し、被害箇所の特定が困難になる 写真撮影とテープ捕獲にとどめる。どうしても駆除したい場合は掃除機で吸引
②蟻道を壊す 侵入経路の証拠を消してしまう。業者が調査する際に経路の特定が難しくなる 蟻道を見つけたら壊さず、写真で記録して業者に報告する
③掃除機で吸引して安心する 飛んでいる羽アリは一部に過ぎない。巣のなかには数千〜数十万匹の働きアリが残っている 吸引は応急処置として有効だが、それだけで終わらせず業者に点検を依頼する
④放置して様子を見る シロアリの被害は自然に止まることがない。放置するほど被害範囲が広がり修繕費用も増大する 羽アリがシロアリと判明したら、速やかに業者へ相談する

補足:掃除機の使い方

掃除機で羽アリを吸引すること自体は問題ありません。忌避成分を含まないため、シロアリの逃散を招くリスクがないためです。ただし、あくまで室内の羽アリを片付ける応急措置であり、根本的な対策にはなりません。

つまり、殺虫スプレーの使用と蟻道の破壊は厳禁です。「記録を残して、業者に見せる」を基本方針にしましょう。


専門業者への相談手順

シロアリの羽アリである可能性がある場合、専門業者への相談が最も確実な対応です。相談から点検までの流れを3ステップで整理します。

相談の3ステップ

ステップ1:準備する

撮影した写真・動画と、捕獲した羽アリを用意します。以下の情報をメモしておくと、相談がスムーズに進みます。

業者に伝えるべき情報リスト:

  • □ 羽アリの発生場所(室内の場合は部屋名・箇所)
  • □ 発生した日時と時間帯
  • □ 羽アリの数(大量か少数か)
  • □ 建物の築年数
  • □ 写真・動画の有無

ステップ2:業者を探す

当サイトのエリア検索や、日本しろあり対策協会の登録業者リストで対応可能な業者を探します。2〜3社に相談すると、対応や費用の比較がしやすくなります(出典:日本しろあり対策協会)

ステップ3:連絡する

電話またはWebフォームで連絡します。相談や点検は無料で実施している業者も多いため、費用面のハードルは高くありません。緊急性が高い場合は電話が早く対応してもらえます。

点検後の流れ

点検の結果、シロアリの被害が確認された場合は見積りの提示を受けます。その場で契約を迫られることはないため、複数社の見積りを比較して判断しましょう。

つまり、「写真の準備→業者検索→連絡」の3ステップで相談できます。無料点検を実施している業者も多いため、まずは気軽に相談してみましょう。


まとめ

羽アリを見つけたら、まずは落ち着いて記録(撮影・捕獲)を行い、シロアリかクロアリかを確認します。殺虫スプレーの使用や蟻道の破壊は避け、現状を保存したまま専門業者に相談するのが最善の対処法です。

シロアリの可能性がある場合は、お住まいの地域の専門業者に相談してみましょう。

参考リンク

  • 公益社団法人日本しろあり対策協会「しろありの見分け方」
  • 森林総合研究所「日本産シロアリ」